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かばん6月号5首選
2011/07/02(Sat)
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7月号が届いてしまう前にかばん6月号について(汗)。
6月号は特集号で、佐藤弓生さんの第3歌集『薄い街』&東直子さんの短歌日記『十階』の、
ダブル特集というとっても充実した一冊です。
『薄い街』特集では今回はじめて編集チーフをやらせていただき、
たのしく勉強になる経験をさせていただきました。
二歌集合同企画の『歌から広がる物語』も非常に面白いページになりました。
高原英理さん、西崎憲さん、せきしろさん、松本楽志さん…など豪華な面々に加えて、
わたしもはじめて東さんの一首に寄せて超短編小説を書かせていただきました。

久々に詠草も出したので近日中にアップしたいとおもいます。
さて、きょうは5首選です。

後ろから修飾されてフランス語みたい 恋人、自由な、初夏の 柴田瞳
この歌は今月号のMVP!一読で覚えました。
そして初夏の解放感に満ちた気持ちのよい日に、必ず思い出す歌となるでしょう。
初夏生まれの瞳ちゃんにぴったりの一首ですね。
この歌の後に「ニトリの三徳包丁」が出てきたりするのが、
この作者の面白さでもあると思うのですが、
あまりにも掲出歌がいいので今回はもう少し余韻に浸りたかったなぁ、
というのが正直な気持ち。

砂浜の手持ち花火の燃えかすのその辺りから色褪せてゆく 若草のみち
夏の終わりとともに「色褪せてゆく」ものを感じさせる叙情的な歌。
「その」という指示語の、たたみかけつつちょっとぼかす、ずらす効果が巧く出ています。

さ」のやさしいカーブを見れば思い出す それは別れなのだと気づく 柳谷あゆみ
4月号に引き続き「カーブ」の歌。
今回は一字空けによって「カーブ」と「別れ」は直接は付かず、
「カーブ」を見て「思い出す」何かが、
「別れ」に繋がるというワンクッションが色々想像させて切ないです。

流星が群れ来る。空という荒野――そこに蒔かれる種籾として 山田航
言葉も韻律もイメージも、美しく、そして強い。
はかなくロマンティックなイメージを持つ流星を、
これから大地に根を張る「種籾」に喩える力強さ。
復興の応援歌にも読めますね。流星群を見てみたくなりました。

朝、出掛けに降っていた雨はもう上がり今は凶器にしか為らない傘 睦月都
雨が止んで用が無くなった傘は結構短歌のモチーフになっている気がしますが、
こんなに意表を衝かれたのははじめてかも。
「凶器」にはしないだろうけれど、
「凶器にしか為らない」と静かに思っている女性に潜むかすかな狂気が怖いです。

(5首には入りませんが)8首目の、

十メートル先を右折で樹海です この先目的地周辺です
もすごい。怖い。淡々と、でも導くように(まあそれが仕事なんですが)、
行き先を告げる機械のお姉さんの声が耳に聞こえてくるようです。

最近五首選すると作者さんがかなりかぶっているような。。。
作者で選んでいるわけではないのですが、好みが偏っているようで。。。
でもやっぱり今月好きだ!とおもった歌をそのまま出していきたいとおもいます。
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かばん4月号
2011/04/21(Thu)
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かばん4月号、表紙も春らしく色も素敵でワクワクしながら拝読しました。
今年度の表紙は会員のこずえユノさんです。

「新人賞へのアプローチ」では読み逃してしまった会員のみなさんの受賞作、候補作を、
一部ですが読むことができてよかったです。さすがに力作揃いで面白かったです。

おにぎりを握るかたちで近づいて蝉の幼虫見せてくれたね 若草のみち
(第25回短歌現代新人賞佳作「夏のえんぴつ」より)

小さく速いものが落ちてきてボールとなり運動場とそのまわりが夏だった フラワーしげる
(第53回短歌研究新人賞最終選考通過作品「世界の終わりとそのとなりの社員食堂」より)

続けて会員作品5首選+2首です。

川底の石が削れあうようにぼくらは歩いている途中 海へ 蓋炉郁
ぶつかり合いながら長い時間を共に過ごすうちにだんだんお互い角が取れてゆき、やがては海へ出る。
上句の破調は石が削れあいながら流れてゆく感じを、
下句の破調と一字空けは時間的空間的ひろがりを感じさせて効果的。
ぼくらはまだまだ歩いている途中なんですよね。

話したいことを逸らしていくようなカーブを描いてスケーターが立つ 柳谷あゆみ
スケーターというと一般的にはどういう人を指すのかわかりませんが、
私はスケボー(懐かしい!)をイメージしました。
あのカーブ、まさしく「話したいことを逸らしていくような」カーブで、
喩えがひっくり返っても成立する(話を逸らされたときにスケーターのカーブを想像させる)さすがの把握です。

放たれし鳥たちよわが手を離れ一点のあるがごとき静夜へ 山田航
一連全体から感じられる言葉の風圧がとにかくすごい!
伊津野重美さんや錦見映理子さんの作品に通ずるような、
ぜひとも朗読で聴きたくなる力強い韻律にうっとりしてしまいます。

お弁当ストーブのうえにおいておいたプチトマトは発毛していた 杉山モナミ
小学生の日記のような文体のなかに、何気ないふうに置かれた「発毛」という言葉の衝撃!
「発芽」じゃなくて「発毛」!しかも、たしかにしそう。
採らずにはいられなかった一首です。

この赤が誰に向けての赤なのかわからないままブレーキを踏む 睦月都
睦月さん、今月号がデビューとは思えない完成度の高さです。
なかでもこの歌は、若さ故のふてぶてしい感じがエッジの効いた表現によって、
スタイリッシュに仕上がっていて好きです。
定型をがっちり味方に付けている感じがしました。

ここまでで5首ですが、ほかにも心に留まった歌が…

バックミラー映し出す絵は異空間本当にここを抜けてきたのか ふらみらり
今月は心にひっかかる違和感に焦点をあてて描いた作品にいい作品が多く、とても惹かれました。

お互いに決することを避けたればぐだぐだになる鍋の春菊 山下一路
ほんと「ぐだぐだ」だぁ。
白菜じゃなくて春菊というところが「ぐだぐだ」の中にもちょっとだけスパイスが効いていいですね。
少なくとも主体は「ぐだぐだ」に対して意識的であることが伺えます。
春菊ってことはすき焼きでしょう、割り下が煮詰まる匂いまで感じるのは私だけでしょうか。

今月は4月号ということではじめましての方がたくさんいらっしゃるので、
ご挨拶を兼ねて一首ずつ選ばせていただきました。どうぞよろしくお願いします。

バファリンを空っぽにして寝返ってア行のものから抱き締めていく 村上高徳

坂道の上から流すメロンソーダ みどりの蛍光マーカーみたいで 谷川ゆうす

1Kのテレビに見られる生活は夢の中にも明石家さんま 菱谷杞子

寒いのは嫌いだけれど 富士山がきれいに見える だから許す、冬 坂田星子

その人の 一言で 私が変わる / 体育館の中 吹く風さやか 小椋洋子

「アンパンマンは正義の味方」じゃない場所もどこかにあっていいんじゃないか 野埜百合

浮き輪持ち 鎌倉駅から由比ガ浜 坂上遥か従姉妹が揺らぎ こまつかおり


好きな歌がたくさんありました。
これからまた読む楽しみが増えるのがうれしいです。
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かばん1月号
2011/02/23(Wed)
…というわけでさっそく、かばん1月号に出詠した2首(新年号は全員2首なのです)。

明けそうな気配のつもるまなうらにしずかに過ぎる鉄道がある

穏やかな目をしてきみは出ていった遠い遠いね生まれたところ


じつはこの2首、折り句なんです。1首目が「あ・け・ま・し・て」2首目が「お・め・で・と・う」の折り句。
新年号なのでちょっと言葉あそびしてみました。

1首目は5首選で雨谷忠彦さん、あまねそうさん、鯨井可菜子さんが選んでくださいました。
以下、いただいたコメントを掲載します。どうもありがとうございました。

●雨谷忠彦さんコメント
目覚めたものの起床時刻前なので、目を瞑り遠い響きを聴いているのでしょう。
始発列車か、深夜の貨物列車か、自分の生活時間帯とは無関係に機能しているシステムに思いを馳せます。

●あまねそうさんコメント
明け方に遠くから聞こえてくる鉄道の音を聞いているのだろう。
その鉄道に乗ってすでに一日をはじめている人たちとまだ半分眠っている自分が違う道を進んでいくような、
交わることのないような、不思議な感傷が感じられた。
「気配のつもるまなうら」というやわらかい表現に「鉄道」という硬い言葉がくることで、一首のバランスが保たれている。

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引っ越し
2011/02/23(Wed)
さいきんこのブログがすっかり育児ブログと化しまったく短歌の話をしていないことに気づいたので(遅)、
もうひとつの空っぽブログ『風日記*花日記』のほうに日々の記録的な内容はお引っ越しして、
こちらのブログはもっとちゃんと短歌しよう!ということにしました。(なおさら更新があやうい。。。)
いや、がんばります。がんばりますよ!ことしはもうちょっと。

ということで書こう書こうとおもいつつ書けていないレビューや、かばんに出詠した作品・評など、
しっかり書いていこうとおもいます。

今後ともどうぞよろしくおねがいいたします。
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トレイン・トレイン
2011/01/28(Fri)


わが街にはありがたいことに子育て支援センターが2ヶ所もあります。
しかも両方徒歩圏内という近さ!
昨年できた支援センターは駅前のマンション内にあり、
少し手狭で庭もないので普段はあんまり利用しないのですが、
今日は息子のたっての希望によりそちらへ行きました。

行ってみるとなんと貸し切り状態!
手狭とはいえ家に比べたらかなり広いし、なんせ息子と二人なので走り回っていました。

こちらには普段行ってる支援センターにはないプラレール(木レール)があり、
どうやらそれが目的だったようでレールを繋げてあげると一心不乱に電車を走らせる息子…。
寝そべった姿勢で新幹線と青い電車を交代に走らせ続けること小一時間×2。
見ているほうはすさまじい睡魔に襲われます…。

レールを繋げるのはあんまり得意分野ではありませんが、
なんせ今日はレールも場所も貸し切りなので完成図もイメージできないままひたすら繋ぎ、
リクエストに応えて鉄橋やトンネルも設置!なかなかの出来です(笑)

しかし息子、もっぱら車派のはず…家中トミカだらけなのに電車に転向は勘弁してね~。

先生たちにもいろいろ話がきけて、なんだか税金を湯水のように使った気になる(笑)贅沢な1日でした。
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