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かばん6月号五首選
2012/06/28(Thu)
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かばん6月号、歌作品も、特集、小特集もとても面白く、
読み応え満点の特集号でした。

かばん三兄弟もなつかしく…優しくすてきなお兄さまがたに、
歌会でお会いするのがとてもたのしみで、
長男植松さんの恋のうたに、次男千葉さんの青春歌に、
三男中沢さんとは即興で二人題詠をしたこともあり、
作品にもきゅんきゅんさせられっぱなしでした。

さて、五首選+αです。

あらいざらい 波打ちぎわにあのときの身重のわたしがつけた足跡
飯田有子


一読して今月のナンバーワンはこの歌!とおもいました。
「身重」という語がこの歌に人生を背負わせるような重みを与えています。
そして字余り一字あけで初句に置かれた「あらいざらい」の清新さ。
母でありながら母としてではない等身大の裸の「わたし」が、
すっと立ちあがってくる一首です。

電線にみちびかれつつ電柱はひとりきたりぬ雨後の地球を
佐藤弓生

ミツバチのささやききこゆ窓に耳あたためている秋のおわりは
佐藤弓生

どちらも文語と修辞のしなやかさを感じるとても魅力的な作品。
「ひとりきたりぬ」や「ささやききこゆ」の音の美しさ、質感を、
口語で出すのはなかなか難しいとおもう。
擬人法のおもしろさ、倒置で着地するときに残る余韻、
じっくりと味わえる作品ですね。

延滞金 ツタヤ」で検索するほどに無気力だった私の朝に
睦月 都


「無気力」ぐあいがものすごく伝わってきますね。
男性だと返しに行っちゃうほうが楽っておもうのかな、
とにかく外に出たくないっていうこの感覚、よくわかります。

てぬぐいを腰にさしこみ青年がゴムやわらかき人力車引く
井辻朱美


「ゴムやわらかき」が秀逸。
「青年」の動きや筋肉のしなやかさまで想像させます。

まだうれしい、と気づいてバスの先見れば暴風雨ほぼ降りしきるさくら  
柳谷あゆみ


毎回柳谷さんのお歌入れてしまってますね。完全にファンです。
「まだうれしい、と気づいて」ってすごい。
この湧きあがるようなむふふ感をあっさり歌に詠んでしまうとは!
春の気分にぴったりなんですが、
あえてふわふわした情景と合わせたりしないところがニクイです。

今月は育児、子育て(イクメン短歌も!)の連作がたくさんあって、
激しく共感しました。

武将の名付けられた子は潔く「乳は要らん」と結ばれる口
本多忠義


0歳児がいるわが家ではどの歌もほんとに「そうそうそう!」でした。
掲出歌は赤ちゃんの表情はさることながらご両親の思いなども伝わってくる、
とてもいい歌だと思いました。

オルガンの音より響く歌う声じゃなくてわんわん泣き叫ぶ声
大澤サトシ


そして今年入園した子もいるわが家では大澤さんの連作も、
「あるあるある!」の連続(笑)
東上線ユーザーとしては歌会でも話題になった「東上線柄」もヒットしました。
歌会では若い女子から「フィクションとしか思えない」という発言もあり、
そうかぁ…とたしかな隔たりを感じたりもしました。

あをあをと健やかであれあとのことはわりとどうでもいい 草太よ
後藤葉菜


七夕の短冊にも「健やかであれ」という願いが溢れていますが、
「わりと」にリアルな感じがこもりましたね。


レギンスの膝伸びてゆくしゃがみこみ吾子の目を見て話す間に 
有田里絵


これもほんとに実感がこもっていますね。
ああまたレギンスの膝が伸びちゃう、でも、
やっぱりしっかり目を見て話さなくては、という親ごころ。
レギンスもジーンズもみんな膝が出てしまって。。。

お揃いの水着とゴーグル泳ぎ去る子らは人造人間めいてつやめく
三澤達世


スイミングスクールを詠んだ一連。
スクールのギャラリーでいつもぼんやり座っているわたし。
日常のいたるところにモチーフは転んでいるんだな、
と改めて反省させられました。
スイミングの子たち、一様に細くてちっちゃな水着を着て、
つやつやしてて、まさしく「人造人間」みたいに見えます。
パンツ一枚で川遊び、という風景と比べると、
ますます「人造人間」が影を帯びてくるような。
できるだけ自然におおらかに育てたいものです。

私もいましか詠めない子育ての歌をもっと詠まなくては。
子供はどんどん大きくなり、わたしの言葉はどんどん痩せてゆき、
ちょっと、いやすごく、焦ります。



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