スポンサーサイト
--/--/--(--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事のURL | スポンサー広告 | ▲ top
かばん3月号
2013/03/22(Fri)
image.jpg

かばん3月号、今年度最後のかばんです。
編集部のみなさん一年間お疲れさまでした。
かばんは毎年編集長が変わるので4月からはまた表紙などガラリと変わるはず。
新しいかばんもまた楽しみです。

さて3月号、ゲストルームはひぐらしひなつさん。
もともと好きな歌人さんなのですが、久しぶりに作品を読めてうれしかったです

告げるべき別れ潰えて静けさのあふれるカフェに光るドーナツ
着地点見つけて赦されたようにセーターの腕を嗅いで笑った
観覧車は夏の遺骨として今も雷雨にずっとやられっぱなし

(「貝と椅子 」ひぐらしひなつ より)

会員の鳥栖なおこさんの短編「愛情伝達殺人 」 も怖くておもしろかった。

さて会員作品から五首選+αです。

着膨れで体がでかい(だからって強く見えないのが残念ね) 大澤サトシ
うーん。これは残念。残念感がすごく伝わってきます。
でも絶対いい人ですね。そして愛されている。
くだけた口語表現や終助詞などが、
主体のキャラクターと二人の関係をうまく描き出していています。
気持ちもほのぼの着膨れますね。

色漆の剥げかかりたる金剛力士 武者震いすればこの雪が降る 井辻朱美
うってかわってこちらの金剛力士は、色漆が剥げかかろうがすごい迫力。
無駄をこそげ落とした肉体の躍動感と静かに舞い落ちる雪の、
見事な対比、そしてマッチング。さすがです。

電源が切れて四角い暗闇に映ったぼくとすこし目が合う ながや宏高
そんなに特別な状況を詠んでいる訳ではないのに、
ちょっとねじれていて、落ち着かない。
うまく説明できませんが、
普段生活のなかでちょっとねじれた感じで現実を感受しても、
無意識に修正して生活しているようなところを丁寧に掬い取って歌にされていて、
読む側をぞわぞわさせてくれます。

こんな知識、人生で使うはずないと思うだろうし、だといいけれど。 柳谷あゆみ
「こんな知識、人生で使うはずない」という教わる側によくある価値観を、
教える側から書いているところが新鮮です。
そして、「だといいけれど。」がすごく怖い。
え、どんな知識!?と考えさせられます。

バゲットのにおいは不意にわたりきてすぎさきさんとささやく夕べ 飯島章友
「パン屋のパンセ」を読んだ人はみんなそうじゃないかな、
と思わせてくれる残された者たちにやさしい歌。
杉崎さんを知らない人にも「すぎさきさん」の人柄を思わせるのでは。
下句の「さ」音の多用が儚させつなさを増幅しています。

青空の青を映さぬ薄氷(ルビ:うすらひ)やスカイツリーは映ることあり 久保明
発見の歌。久保さんの下町を詠んだ歌がわたしの下町観を形成しています。

イヌワシは滑空をして金網にぶつからないのがすこし残念 山下一路
あー危ない!と思うとき、どこかでそうなることをかすかに期待していること、
確かにあるかもしれません。部外者の視線。

一夜明け辺りはいちめん雪となり美意識なるもの試されていた 十倉れい
雪景色の美しさを詠むのではないところがおもしろいです。
あるがままに世界を感受できず、
つねに自意識のフィルターを通して見てしまうかなしみ。


スポンサーサイト
この記事のURL | いろいろ感想文 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
<<ありがとうかばん30① | メイン | かばん30周年記念イベント>>
コメント
コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://kazeutahanauta.blog80.fc2.com/tb.php/102-fb526cfd

| メイン |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。